EC運営を代行へ任せる際、どの範囲の作業を委託すれば費用対効果が高いのか悩む方は多いはずです。
本記事は、サービス内容ごとの料金目安や初期費用・月額費用の内訳をわかりやすく整理し、コストを左右する要因や契約形態のメリット・デメリットを丁寧に解説します。
実例を業種・規模別に比較しつつ、サポート範囲・実績・契約条件の評価軸も具体化。難しい用語は、モモトモのオトモたちがやさしくフォローします。
EC運営代行の費用相場をつかみ、賢い選び方へつなげましょう。
1.EC運営代行の費用相場を読み解く

桃子
“EC運営代行 費用相場”って、どれくらいを見ればいいの?

イヌオ
大きく“サービス内容の広さ”と“契約形態”で変わるよ。初期費用と月額費用の内訳も押さえておこう。

サービス内容別の料金の目安
EC運営代行の料金は、依頼する業務範囲の広さと深さで決まります。多くの場合、月額費用+オプション費用+成果報酬 の組み合わせです。代表的な区分と目安は以下の通りです。
運営全般代行(総合サポート)
- 月額:10万〜60万円
- 内容:商品登録・在庫管理・受注処理・顧客対応・レポート作成・広告運用の一部など
- 大手ブランドや多SKUを抱える場合は 50万円超 になるケースもあり
部分代行(広告運用・商品登録・デザイン等)
- 広告運用:8万〜40万円
- 商品登録:5万〜20万円
- デザイン:5万〜15万円 → 複数のスポット依頼を組み合わせる形式が一般的
広告運用代行
- 10万円未満〜50万円超
- 費用は広告予算と運用量に連動
- 成果報酬を組み合わせる契約も多く、売上や広告成果に応じて変動
システム構築・初期設定を伴う代行
- 初期費用:5万〜50万円
- 内容:商品データ整備・API連携・テンプレート作成など
- 複数サイトを同時に構築する場合はさらに上振れ
デザイン/クリエイティブ(LP・バナー・商品写真最適化など)
- 月額:5万〜20万円
- 写真撮影・動画制作・リライトは別途オプション扱いになるケースが多い
初期費用と月額費用の内訳
EC運営代行の費用は、大きく 「初期費用」と「月額費用」 に分けられます。
- 初期費用:導入時の設定やシステム準備など、スタートに必要な工数をカバーするもの
- 月額費用:日々の運営業務を継続的に支援するためのコスト
初期費用の内訳例
- 登録作業・データ移行・初期設計: 5万円〜30万円
- 広告アカウント設定・トラッキング設計・API連携: 10万円〜50万円
- LP・デザインテンプレ作成・商品データ整備: 5万円〜20万円
- 運用方針の確立・KPI設計・初回レポート作成: 5万円〜15万円
月額費用の内訳例
- 日常運用(受注処理・顧客対応・在庫管理・出荷サポート): 10万円〜40万円
- 広告運用・データ分析・レポート作成: 8万円〜40万円
- 商品登録・データ更新・ショップ更新対応: 5万円〜20万円
- デザイン・クリエイティブの継続制作: 5万円〜15万円
契約形態による違い
契約形態によっても初期費用・月額費用のバランスは大きく変わります。
- 専任チーム型(長期契約):初期費用を抑えやすく、月額費用は安定的に発生。
- スポット依頼型(短期・プロジェクト単位):初期費用を抑えやすいが、月額も小さくなる傾向。ただし長期的に見ると割高感が出やすい。
どちらにもメリットとデメリットがあるので、「自社の体制」と「目標」に合わせて選ぶのがコツです。ここで紹介した金額はあくまで目安なので、業種や規模によって上下する点も覚えておきましょう。

桃子
同じ“30万円”でも、内容がぜんぜん違うね…!

イヌオ
そう。金額だけで判断せず、“何にかかっている費用か”を見極めることが重要だよ。
2.コストを左右する要因と賢い選び方

桃子
EC運営代行って“月額いくら”って決まってるものだと思ってたけど、そうじゃないの?

キジオ
そうなんだ。費用は一律じゃなくて、契約形態・成果報酬・オプションがどう組み合わさるかで変わるんだよ。
ここでは、特に重要な
- 契約形態と費用の関係
- 成果報酬・オプション費用の影響
について整理していきます。
契約形態と費用の関係
契約形態は大きく3つに分かれます。
1)専任チームによる継続契約
- 月額固定で安定した支援を受けられる
- 定例ミーティングや改善提案、レポートが含まれることが多い
- 安定運用を重視したい中規模〜大規模EC向け
2)スポット依頼:プロジェクト単位
- 新商品発売やセール時など、一時的な対策に有効
- 初期費用は抑えやすいが、長期的に任せると割高になることも
3)外部パートナーへの委託:部分アウトソース
- 広告、デザイン、カスタマーサポートなど、特定の機能を外部に任せる
- 費用は「基本料金+成果報酬+オプション」で変動
- 専門スキルを活用したいが、コストは抑えたい場合に適している

サルミ
たとえば“デザインだけ外注”とか“広告だけ任せる”って形も外部パートナー型だね。
必要な部分だけ強化できるのがメリット!

桃子
なるほど!“安定的に全部任せたい”か、“一部だけ頼みたい”かで契約形態を選ぶんだね。
成果報酬・オプション費用の影響

桃子
成果報酬とかオプション費用って、どう考えればいいの?

キジオ
仕組みを知っておくだけで判断しやすくなるよ。
成果報酬の特徴
成果報酬は、売上やコンバージョン(CV)などの目標を達成した場合に追加で支払う仕組みです。「費用を抑えつつ成果を追求する」ことが可能ですが、指標設定の仕方次第でリスクも生まれます。
- メリット:代行側のモチベーションが高まり、成果と費用が直結する
- デメリット:目標が高すぎると支払いが増え、予算管理が難しくなる
- 指標の妥当性(市場や競合状況を踏まえた現実的な数値か)
- 支払い上限の設定(月額や年間でキャップを設ける)
- 計測方法やデータの出所を契約書に明記
- 定期的な見直しの仕組みを設ける
オプション費用の特徴
オプション費用は、基本サービスに追加して選ぶものです。
例:撮影代行、商品データ最適化、デザイン強化、24時間対応CS、多言語対応など。
成果報酬とオプション費用を組み合わせるときの考え方

桃子
成果報酬とかオプション費用って、どう考えればいいの?

キジオ
ポイントを押さえれば大丈夫。契約前に“ここだけは確認”という項目を整理しておこう。
契約時に重視したい4つのポイント
- 指標の妥当性と現実性
市場や競合状況を踏まえて、達成可能な目標かどうかを確認する。 - コストの上限設定
月間・年間でキャップ(上限額)を決めて、予算超過を防ぐ。 - レポーティングと透明性
計測方法、データの出所、報酬の算出根拠を契約書に明記する。 - 見直しのタイミング
成果の進捗に応じて、契約内容を定期的に見直す仕組みを作る。
実務的なバランスの取り方
- 成果報酬は「成果=費用」の関係を明確にできるのが強み。 ただし、最初から大きく設定するとリスクが高いため、まずは固定費で運用を安定させ、一定の成果が見えた段階で成果報酬を組み合わせるのが実務的です。
- オプション費用は、短期的な強化策にも長期的な成長戦略にも活用できる便利な仕組み。 ただし、“便利だから”ではなく、“自社の課題解決に直結するか”を基準に選ぶのが賢明です。

イヌオ
つまり、最初はシンプルに固定費+必要最低限のオプションで始めて、成果が出てきたら報酬型や追加オプションを検討するのが現実的だね。